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Bittersweet 1-4

「悠木――、…俺……」



急に高瀬が真面目な顔になって、何かを言いかけたその時だった。
ミャー…と、私と高瀬の足元でいきなりミュウの鳴き声が響いて、思わずビクンと体を縮めてしまった。



「ミュウ…!?」


足音が聞こえなかったから、その気配に全く気付かなかった。
彼女の名を呼ぶと、まん丸の瞳を向けてくる。



「この子がミュウ……?」

「え、うん…」


高瀬が私に尋ねてきたからそう答えると、
私の腰に手をまわしていた高瀬の腕が解けて、なんとなくほっとするような、寂しいような、そんな複雑な気持ちになる。
慣れた手つきでミュウを抱き上げて、高瀬がミュウの顔を覗きこむ。
腕の中に抱いて、何度か喉から顎にかけてほぐしてやるように触れると、ミュウが気持ち良さそうに目を伏せてゴロゴロと喉を鳴らした。



唖然…。
びっくりした。
初対面の男に懐くなんて。
来客があっても、どちらかというと知らん顔を通すミュウが、初めて会った高瀬の胸でリラックスした表情をみせている。


なんでこの男に。
なんとなく、悔しい。すっごく悔しい。
私は心の中でそう呟いて、絶対にその事実を言ってやるもんか、と思った。



「なんか…、悠木にそっくりだよな」

「……私に?!」


含みを持った目で高瀬が笑う。
ミュウは目を閉じて高瀬に全てを預けきっていた。
その表情を見てるとなんだかものすごく恥ずかしくなってくる。


「お前……すっげぇ美人だな」



ミュウの耳元に唇を近づけて、囁くように呟く。
そして、ゆっくりとミュウを玄関に下ろした。



「さっき、俺、悠木の部屋でもいっかなって言ったけど…、訂正するわ。ごめんな。また構ってやるから。―――…」


――今日はお前の飼い主と二人きりにさせて。と。ミュウに告げた。







高瀬の部屋は前に来た時より雑然としていた。



「何固まってんの……?」

「べ、べつに固まってなんか……!!」



高瀬がそんなことを言うから、思わず反論してしまった。
私の部屋と同じ造りなのに、まるで雰囲気が違うから。
妙に落ち着かない。
だけどそれよりも、何だか泣きたくなってしまうほど緊張してる自分がいる。
高瀬に手を引かれて、いきなり寝室に連れ込まれたから無理もない、と思う。



「来いよ……」


高瀬は先にベットに腰掛けて、扉の前で立ち尽くす私を見やった。
艶の含んだ瞳を向けられるだけで、くらくらして。
心臓がはちきれんばかりにドクドクと波打っている。
まるで、今にも崖から堕ちてしまうような、窮地に立たされている感覚がした。
逃げ場はない。



(私…この男が苦手だ)


本気でそう思った。
引力に逆らえない。抗えない自分が悔しい。
導かれるように高瀬に近付けば、少し強めに腕を引っ張られた。


「もう、焦らすなっつーの」


少し苛立った様子で、高瀬が言うなり私の背中に腕をまわして。
気がつけば、ボスンと柔らかい場所に背中が堕ちていた。


「んんっ……、高っ…!」


「悠木……」


高瀬の唇は少し渇いていた。
何度もキスを交わし、吐息が絡まる。
高瀬が低めの声で私の名を呼ぶと、それだけで、カァ…と全身が熱くなる。




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次回はR15指定ですので閲覧にはご注意ください。
不定期更新にも関わらず、中途半端なところで区切ってしまってすみません!!
もういいから早く結ばれろ、と願うばかりです(笑)


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