スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Sugary 3-6

「ちょっ……高瀬!離してってば!」

「………。」

「痛いって…!ちょっと聞いてるの!?」




鴨川に沿った遊歩道。
さらさらと静かに流れる川の音を消すかのように、私と高瀬の砂利を踏む音が鼓膜に響く。


ヒールで砂利道を歩くものだから、さっきから何度もこけそうになって。
前のめりになりながら、必死になってその背中を追いかけた。
利樹と別れてから、高瀬はずっと無言のまま、私の腕を引っ張って離そうとしない。
何度呼んでも、離してと叫んでも、一切後ろを振り向かない。


(何なの……!?こいつは!!)



さっきまでは機嫌よく、それこそ顔を赤くして歓迎会に出ていたというのに。
別人だ。
今、高瀬の背中には不機嫌オーラがはっきりと現れている。



「いい加減にしてよ!」

「………」

「離せ!馬鹿!あほ!」

「………」

「聞いてんの!?おっさん!!」



ぴたりと。高瀬が唐突に立ち止まったものだから、ドンとその大きな背中に体をぶつけてしまった。
ぶつけた鼻の先を手でおさえて、痛みのあまり顔が歪む。


「いったー…!ちょっと…!急に立ち止まらないでよ!」

「誰がおっさんだ。ああ?」


漸く聞けた声は低くてドスが効いていた。
たった数分無言だっただけで、高瀬の声がひどく懐かしい。
ゆっくりと振り返ったと思えば、私を威嚇するように見下ろし、ガンをつけてきた。
どうやら地雷を踏んでしまったようだ。



「っあんたが腕離さないからでしょ!?」



ぶんぶんと手を振って、高瀬の手を振り解いた。
掴まれたところの皮膚がジンジンと痛みを伴っている。
手加減なしに力を加えるなんて、ホント信じられない。



「――この前」

「え?」

「泣いてた原因。きっと男なんだろうなって思ってたけど。まさかその男が香山さんだなんて」

「っ……!」

「俺、今すっげえイラついてんの、分かる?」



高瀬が一歩詰め寄って、私に迫る。
心臓がドクンと跳ね上がり、体が硬直する。




――何て顔をするんだろう。
暗闇でよく見えなかった高瀬の顔。
今、目が合って気がついた。



その目は相変わらず挑発的なのに、どうして―――。
どうして、そんなに苦しそうな、切なそうな表情をするのだろう。
どうして、“イラついてる”なんて言いながら、まるで自分が傷ついたようなカオをするのだろう。




「訳、わかんない…、何…、言ってんのよ…」

「そーやっていつもはぐらかすお前にもすっげえ、ムカついてるわ」

「あっ…!!」



素早く手首を掴まれて、私の体は拘束されてしまった。
乱暴に抱き寄せられて、背中に手を廻されて。
息が出来ないぐらい強く抱き締められた。




「高…っ、瀬」


「さっきの悠木の顔。見てられなかった。見たくなかった。香山さんに会ったあの一瞬で。泣きそうになってるお前なんて……!」



その一言ひとことが、私の胸をぎゅっと締め付けて。
心臓は暴れだして、ドクドクと波打って、どうにかなりそうだった。
全身で高瀬の呼吸、高瀬の香り、高瀬の声やあたたかさを感じて、
そして、私ははっきりと気付いた。






「俺…、も、限界。悠木が好きだわ」






私、この男のことが―――、好きだ。




参加しています↓応援ポチッと。更新意欲アップです♪
にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村




スポンサーサイト

comment

Secret

やっぱり嫉妬やったー!!
ちゅーしてしまえばいいのに(笑)
高瀬がかっこよすぎてやばいです!!!

おっさんって言った時に、もし高瀬が「香山さんのがオッサンだろ!」とか言ってたら爆笑でした!いい意味で!

続きが楽しみで仕方ないです♪

Re:

yoppi様 こんにちはv-346いつもありがとうございます!うふふ、高瀬の嫉妬、楽しんでいただけましたか!確かに香山もおっさんですよ、でも高瀬ももういい歳ですよね笑。キスしちゃえばいいですよねぇ!お前らいい歳なんだから先に進め!今日更新でそのシーンを堪能してくだされば嬉しいです!!また感想お待ちしてますv-291
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。