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Sugary 3-3


(可愛い猫って…!)



危うく飲んでいたビールを噴き出しそうになった。
そんな私の様子をチラリと垣間見た高瀬が、ニッと白い歯をみせて喉の奥で笑う。
真っ先に頭に浮かんだのはうちで飼ってるミュウのことだった。
だけど高瀬には猫を飼ってることを話した記憶は無い。
だったらどういう意味でそんなことを言ったのか、推測できないくらい高瀬の言動は意味不明だった。




「猫ってツレナイけど、たまに無性にかわいいんだよな。――例えば俺の胸の中で泣いてる時とか」

「……!!」



まさかとは思った。


(コイツ……!!私をからかってる――!!)






「じゃ!お疲れ様でしたー!!」

「高瀬~!大阪営業課の稼ぎ頭、期待してるぞ!」

「もちろん!」



そんなやり取りを他人事のように聞きながら、歓迎会が解散するとすかさずひとりになろうと輪を外れた。
既に仲野さんは早めに抜けて帰っていたし、他の営業とも私はそんなに親しくない。
だから、この場から外れるのが賢明だと判断したのだ。



「高瀬さんはJRでしたっけ~?」

「あぁ、そうだよ」

「残念~私地下鉄なんです~」



高瀬が佐々木に捕まっているのを背後で感じながら、
私はさっさと帰ろうと歩を進めた。
それなのに―――…



「おい、待てって。」

「っ…高瀬…」


JR大阪駅の京都線のホームに着いた時に、突然後ろから響く声。
いつもより大きな張りのある声。
振り返ると、息を弾ませた高瀬がいた。
既にノーネクタイでカッターシャツの第二ボタンまで開けている高瀬は、
少し赤く染まった顔をしていて、何故だか幼く見えた。



「先にひとりで帰んなよな」


そして、しれっとした表情でそんなことをのたまりやがった。



「はぁ?何で私が高瀬と一緒に帰らないといけないのよ?」

「お隣さんだろうが」

「…っ!隣だからって」

「も、いいから。電車来たぞ」



反論しようとした私を軽くかわした高瀬に、ちょうど来た快速電車へ私の背中ごとグイと押されてしまう。
後ろから続く人の波によって、私は自ずと扉の際に追いやられてしまった。
一方の高瀬は、他の乗客を阻むかのように私を囲んで立ちはだかっている。
ちょうど目線の先は高瀬の第二ボタンあたりで、少し顔を上げればヤツの喉仏が見える。
いきなり近づいた距離に、私は言いようの無い焦りを感じていた。


(もう、なんなの、最悪…)


電車が動き出しても、高瀬も私もしばらく何もしゃべろうとしなかった。
沈黙が気まずくて仕方ない。かと言って和気藹々と話す間柄ではない。
車掌の機械的なアナウンスとガタンゴトンと揺れる車内。
私は高瀬から顔を背けて、車窓の外にひろがる夜の街ばかりを見つめていた。
その時だった。




ガタンと。
一際大きな音で電車が揺れた。



「ぁっ…」

「っ…と」



壁に凭れていたから力を抜いていた。
その強い揺れによって私の体は前のめりに傾いてしまった。
だけど、その次の瞬間には、高瀬の腕が伸びてきたと思えば、私の両肩を持って体を支えていて。
ふわりと香る高瀬の香水と、アルコールの混じった香りが私の鼻腔を擽る。
私の顔はちょうど高瀬の胸元に当たっていた。



「大丈夫か?」

「…う、うん…」



(な、なんなの――…!)


心臓がバクバクと波打っている。
全身の血が顔に集まるのを感じた。
熱いのはアルコールのせいだと、何度も言い聞かすには不十分なぐらい、熱い。
熱くて仕方が無い。
どうにかしている。




「あり…がと」


お礼を言うだけなのに、自分の声が上擦っていて。
咄嗟に身を起こして離れたはいいものの、高瀬に掴まれた両方の腕に熱がこもっている。



「どういたしまして」



クスッと高瀬が声を出して笑うと。
更に私の心臓はスピードをもって加速していく。




(私――…!?もしかして――…!?)




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comment

Secret

イエッフーーーイ☆(ハチクロ風に)
更新ありがとうございます!

いやあ。。またまたじれったい。。。
早く抱きしめちゃいなよ☆って高瀬の耳元で言ってあげたいですわたし(笑)
次はどんな展開になるんだろう。。
楽しみにしてます(*´∇`)

Re:

yoppi様 こんにちはv-291いつもありがとうございます!うふふ、なんだかじれったいですよねっねっ!高瀬の耳元で…どうぞどうぞ囁いてくださいませ(笑)yoppi様だけに…次の次の更新あたりで高瀬が動くかもですよっ!楽しみに待っててくださいねv-344
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