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Sweet Home 目次

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突然の訪問者は、私の大嫌いな男だった。
Sugary 1-11-21-31-41-51-61-71-81-9

1-6を誤操作で削除してしまいました。再アップまでしばらくお待ちくさだい(><)

Sugary 2-12-22‐32-42-5
Sugary 3-13-23-33-43-53-6

Bittersweet 1-11-21-31-4


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Bittersweet 1-4

「悠木――、…俺……」



急に高瀬が真面目な顔になって、何かを言いかけたその時だった。
ミャー…と、私と高瀬の足元でいきなりミュウの鳴き声が響いて、思わずビクンと体を縮めてしまった。



「ミュウ…!?」


足音が聞こえなかったから、その気配に全く気付かなかった。
彼女の名を呼ぶと、まん丸の瞳を向けてくる。



「この子がミュウ……?」

「え、うん…」


高瀬が私に尋ねてきたからそう答えると、
私の腰に手をまわしていた高瀬の腕が解けて、なんとなくほっとするような、寂しいような、そんな複雑な気持ちになる。
慣れた手つきでミュウを抱き上げて、高瀬がミュウの顔を覗きこむ。
腕の中に抱いて、何度か喉から顎にかけてほぐしてやるように触れると、ミュウが気持ち良さそうに目を伏せてゴロゴロと喉を鳴らした。



唖然…。
びっくりした。
初対面の男に懐くなんて。
来客があっても、どちらかというと知らん顔を通すミュウが、初めて会った高瀬の胸でリラックスした表情をみせている。


なんでこの男に。
なんとなく、悔しい。すっごく悔しい。
私は心の中でそう呟いて、絶対にその事実を言ってやるもんか、と思った。



「なんか…、悠木にそっくりだよな」

「……私に?!」


含みを持った目で高瀬が笑う。
ミュウは目を閉じて高瀬に全てを預けきっていた。
その表情を見てるとなんだかものすごく恥ずかしくなってくる。


「お前……すっげぇ美人だな」



ミュウの耳元に唇を近づけて、囁くように呟く。
そして、ゆっくりとミュウを玄関に下ろした。



「さっき、俺、悠木の部屋でもいっかなって言ったけど…、訂正するわ。ごめんな。また構ってやるから。―――…」


――今日はお前の飼い主と二人きりにさせて。と。ミュウに告げた。







高瀬の部屋は前に来た時より雑然としていた。



「何固まってんの……?」

「べ、べつに固まってなんか……!!」



高瀬がそんなことを言うから、思わず反論してしまった。
私の部屋と同じ造りなのに、まるで雰囲気が違うから。
妙に落ち着かない。
だけどそれよりも、何だか泣きたくなってしまうほど緊張してる自分がいる。
高瀬に手を引かれて、いきなり寝室に連れ込まれたから無理もない、と思う。



「来いよ……」


高瀬は先にベットに腰掛けて、扉の前で立ち尽くす私を見やった。
艶の含んだ瞳を向けられるだけで、くらくらして。
心臓がはちきれんばかりにドクドクと波打っている。
まるで、今にも崖から堕ちてしまうような、窮地に立たされている感覚がした。
逃げ場はない。



(私…この男が苦手だ)


本気でそう思った。
引力に逆らえない。抗えない自分が悔しい。
導かれるように高瀬に近付けば、少し強めに腕を引っ張られた。


「もう、焦らすなっつーの」


少し苛立った様子で、高瀬が言うなり私の背中に腕をまわして。
気がつけば、ボスンと柔らかい場所に背中が堕ちていた。


「んんっ……、高っ…!」


「悠木……」


高瀬の唇は少し渇いていた。
何度もキスを交わし、吐息が絡まる。
高瀬が低めの声で私の名を呼ぶと、それだけで、カァ…と全身が熱くなる。




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次回はR15指定ですので閲覧にはご注意ください。
不定期更新にも関わらず、中途半端なところで区切ってしまってすみません!!
もういいから早く結ばれろ、と願うばかりです(笑)


Bittersweet 1-3


マンションまでの数百メートルの道のり。
エントランスホールでエレベータを待つ時間。
正直言って、緊張と、高瀬によってもたらされた高揚感で、いっぱいいっぱいだった。



この男のどこが好きなのか、正直よく分からない。
だけど、―――…。
この時の私は、この手を離したくないと、馬鹿みたいに願っていた。






「高瀬っ……」


当然のように手を引かれたまま、高瀬が自分の部屋の玄関の鍵をまわしたところで、ハタと気付いた。
扉を開けてそのまま入ろうとする高瀬を呼び止める。



「何?」

「わたし…ミュウにえさやらなきゃ…」

「ミュウ……??」


顔だけを振り向かせた高瀬は訝しげな表情を向けた。
そうだ。高瀬には猫を飼っていること自体話したことがなかったのだ。



「猫、飼ってるの……。多分家で私の帰りを待ってる」


いつも主人の帰りが遅いことにはきっと慣れてるはず。
だけど、このまま餌をあげずに高瀬の部屋に入るのも躊躇してしまう。
いつもツンとして女王様気取りのミュウだけど、時折みせる寂しそうな表情を私は知っている。
ミュウは元々捨て猫だった。
それを、1年前。私が拾ってきたのだ―――。



「へえ。初耳だな。悠木が猫飼ってるなんて…」


低いテノールの声。口角を上げて高瀬が微笑んだ。


「じゃあ…、ミュウにごはんあげてから、俺の部屋来れる?」


うん、とだけ告げれば、待ってる、と返事が来る。
高瀬が高い背を屈めれば、私の前髪にキスが落ちた。








自分の部屋の玄関を開けて、「ただいま」と言うや否や、ミュウがスタスタと私の足元に歩み寄り、可愛い声を出して出迎えてくれた。
小さな体を抱っこしてムニムニと顔を揉んでやると気持ち良さそうな顔をする。



「ごめんね、遅くなって…」



抱きかかえながらリビングに入るとそこはシンと静まり返っていた。
ミュウ御用達のキャットフードをお皿にあけてやると、私をチラリと見やった後、勢い良く食べ始める。
よっぽどお腹がすいていたのかもしれない。



ミュウから視線を外して、何の気なしにリビングを見渡した。
ここは私の帰るべき場所なのに、人の気配が全くしないリビングに寂しさと心細さを感じてしまう。
リビングダイニングは15畳程の広さで、居心地は申し分ない。
好きな家具ばかりを揃えた。
アクタスでふかふかの一流のソファも買った。
だけど……。
このLDKの大きさは、ひとりであることを助長してしまう気がする。



ミュウの前に座り込んでぼんやりとしてしまったらしく、チャイムの音でハッと意識が舞い戻った。
高瀬、だと思う。
インターホンにも出ずに玄関へと走る。
扉を開けると、やっぱり高瀬だった。


「おせーよ」


そう言って頭を小突かれた。
高瀬は既にTシャツとチノパンというラフな格好に着替えていた。


「ごめんっ、なんかぼーっとしてた」

「何?俺のこと放置かよ」

「ちょっ…!なに…っ」


しょげたようにそういって、玄関のシュークローゼットの前で、高瀬は急に私を抱き締めてくるから。
本気で慌てた。


「早く来いって…。それとも、……悠木の部屋でもいいよ俺」

「ひゃぁっ…、」



耳元で吐息混じりの声が落ちる。
まるで吹き込むように囁かれた。
そのまま首にキスをされて、引きつった声を上げてしまった。
小さなリップ音を鳴らして、私の服をずらして肩のラインに何度も口付けをされるから。
身体の力を奪われた私は、高瀬に寄りかかりながら、その甘さに必死に耐えた。



「悠木……俺……」




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Bittersweet 1-2

さらさらと流れる鴨川の水の音。
私と高瀬の息遣い。
たった一つのキスを交わした。
その瞬間、私達のいる場所は、全ての喧騒をシャットアウトした甘い空間になった―――。







唇と唇が掠めて。すぐさま離れていく。
だけど、次の瞬間、私の背中にまわされた高瀬の手に力が入り、ピンヒールを履いていた私はバランスを崩した。
否応なく高瀬の体に密着する。



「高…瀬……、」



鴨川の遊歩道には細かな砂利が敷かれていて。
その砂利を踏む音が響く。



「力抜けって」



そういって、高瀬がくつくつと笑った。
その顔は心底愉しそうで。意地悪だった。



そんなこと言ったって。
どうやって力を抜けばいいかも分からないぐらい、私―――、
――その顔を見ていると、私だけが動揺して、私だけがこの状況にドキドキしてる気がして。




「悠木…」



私、とうとうおかしくなったんじゃないかな。
名前を呼ばれただけなのに、全身が痺れた。
吐息が頬にかかり、高瀬の熱い瞳が私を凝視する。
その顔がムカつくぐらい大人の色気を醸し出していて、くらくらした。




「なんつーか…今、キスしたら止まらなくなりそーだわ」




言ってるそばから、瞬く間にキスが落ちてきて。
掠めた息を通り越して、唇が重なる。



「ん――っ…、」



くぐもった声までも食らい尽くすような、そんな情熱的なキスだった。
隙間から入ってきた舌に残る、僅かなアルコールの香り。
舌が絡まった瞬間、高瀬が顔の角度を変えて、私の口内の奥深くを貪る。
息継ぎの合間に漏れる、高瀬の甘い吐息までもが、今の私にとってはまるで媚薬のようだった。



ざらざらした舌の感触がやけにリアルで。高瀬のそれはとても熱かった。
まるで、本当に熱があるんじゃないかって思うぐらい。
顎にかかった手はいつのまにか首筋に下り、すーっ、と。指先で鎖骨を撫でられた。



「あっ……」



自分の上擦った声にびっくりする。
些細な手の動きさえ、敏感に感じられるぐらい、私は高瀬に酔っていた。
駄目だ――…、何も、考えられなくなる。
高瀬のこと以外、何も。




「もっ…、高……っ、もう、…無理ッ…!」



どのぐらいキスをしていたのか、おぼろげな思考のせいで、時間の感覚さえ分からなかった。
余りにも激しくて、呼吸さえままならなくて、私はもがいた。
なのに、この男のキスは益々荒くなって。
呼吸さえも上手くさせてもらえない。
高瀬の胸をドンドンと叩いて、主張すると。



「――分かったよ、いったん止めてやるから、その代わり――――」


「っ……!」


漸く離れてくれた思えば、高瀬は私の耳元に顔を寄せた。
耳元から私の脳内に吹き込むようなその言葉。
甘い拘束をするその響きに、心臓が跳ねる。



「うんって言って。早く」



たまらず私はコクンと頷いていた。
勝ち誇ったような高瀬の顔。ニッコリと笑われて、そのまま右手をとられ、握られた。
一歩前を歩き出す高瀬につられて、私も足を踏み出す。




ここからだとあと数分もかからない。
毎日帰っていたあの場所。
鴨川にかかる橋のその先に、私と高瀬のマンションの灯りが目に付いた。



拒否権は元からなかったのかもしれない。




――今日、俺の部屋に帰ることになるけど、いいよな?






更新滞ってすみません!漸くパソコンと向き合う時間がとれました。
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Sugary 3-6

「ちょっ……高瀬!離してってば!」

「………。」

「痛いって…!ちょっと聞いてるの!?」




鴨川に沿った遊歩道。
さらさらと静かに流れる川の音を消すかのように、私と高瀬の砂利を踏む音が鼓膜に響く。


ヒールで砂利道を歩くものだから、さっきから何度もこけそうになって。
前のめりになりながら、必死になってその背中を追いかけた。
利樹と別れてから、高瀬はずっと無言のまま、私の腕を引っ張って離そうとしない。
何度呼んでも、離してと叫んでも、一切後ろを振り向かない。


(何なの……!?こいつは!!)



さっきまでは機嫌よく、それこそ顔を赤くして歓迎会に出ていたというのに。
別人だ。
今、高瀬の背中には不機嫌オーラがはっきりと現れている。



「いい加減にしてよ!」

「………」

「離せ!馬鹿!あほ!」

「………」

「聞いてんの!?おっさん!!」



ぴたりと。高瀬が唐突に立ち止まったものだから、ドンとその大きな背中に体をぶつけてしまった。
ぶつけた鼻の先を手でおさえて、痛みのあまり顔が歪む。


「いったー…!ちょっと…!急に立ち止まらないでよ!」

「誰がおっさんだ。ああ?」


漸く聞けた声は低くてドスが効いていた。
たった数分無言だっただけで、高瀬の声がひどく懐かしい。
ゆっくりと振り返ったと思えば、私を威嚇するように見下ろし、ガンをつけてきた。
どうやら地雷を踏んでしまったようだ。



「っあんたが腕離さないからでしょ!?」



ぶんぶんと手を振って、高瀬の手を振り解いた。
掴まれたところの皮膚がジンジンと痛みを伴っている。
手加減なしに力を加えるなんて、ホント信じられない。



「――この前」

「え?」

「泣いてた原因。きっと男なんだろうなって思ってたけど。まさかその男が香山さんだなんて」

「っ……!」

「俺、今すっげえイラついてんの、分かる?」



高瀬が一歩詰め寄って、私に迫る。
心臓がドクンと跳ね上がり、体が硬直する。




――何て顔をするんだろう。
暗闇でよく見えなかった高瀬の顔。
今、目が合って気がついた。



その目は相変わらず挑発的なのに、どうして―――。
どうして、そんなに苦しそうな、切なそうな表情をするのだろう。
どうして、“イラついてる”なんて言いながら、まるで自分が傷ついたようなカオをするのだろう。




「訳、わかんない…、何…、言ってんのよ…」

「そーやっていつもはぐらかすお前にもすっげえ、ムカついてるわ」

「あっ…!!」



素早く手首を掴まれて、私の体は拘束されてしまった。
乱暴に抱き寄せられて、背中に手を廻されて。
息が出来ないぐらい強く抱き締められた。




「高…っ、瀬」


「さっきの悠木の顔。見てられなかった。見たくなかった。香山さんに会ったあの一瞬で。泣きそうになってるお前なんて……!」



その一言ひとことが、私の胸をぎゅっと締め付けて。
心臓は暴れだして、ドクドクと波打って、どうにかなりそうだった。
全身で高瀬の呼吸、高瀬の香り、高瀬の声やあたたかさを感じて、
そして、私ははっきりと気付いた。






「俺…、も、限界。悠木が好きだわ」






私、この男のことが―――、好きだ。




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